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茶入筆記 vol.13 唐物殘月肩衝、唐物酸漿文琳、唐物餓鬼腹茶入:京都國立唐物茶入展覽 - Kyohaku Karamono Tea Caddy, Kyoto National Museum Special Exhibition.



茶之湯的道具:茶入

2024年6月25日(火)~ 9月8日(日)陶磁|3F-1展示室


在茶道中使用的器具中,用來裝抹茶粉的茶器被稱為茶入。 雖然它的形狀像小甕(壺),但在茶道中的地位卻高於茶碗或水指。茶入又分為唐物、和物:在中國燒制的稱為 「唐物 Karamono」,在日本燒制的稱為 "和物 Wamono」,自古以來就很珍貴。 在鑒賞茶入時,產地和形狀是基本特徵,釉面的流光溢彩也是一大亮點。 與之配套的蓋子、蓋子、托盤和銘文也是欣賞和吸引人的地方。 本期,我們將介紹這類茶入的魅力。


三個唐物茶入在中間的獨立展櫃,由四週一圈和物茶入圍繞著,這種布展方式也凸顯了唐物茶入在日本茶人與收藏家心目中的地位。三個茶入分別是:

唐物肩衝茶入 銘 殘月

唐物文琳茶入 酸漿文琳

唐物餓鬼腹茶入


傳承極為顯赫,唐物茶入的傳承也是其十分重要的一點。由於茶入的審美十分抽象,這類藝術品很大的收藏價值來源於其過往的歷史和傳奇人物的審美加持認證。不同茶人在不同時期的審美不同,銘的不同,追銘的疊加等等,都是其藝術價值中不可分割的一部分。


一、唐物肩衝茶入 銘 殘月


漢作唐物肩衝茶入、大名物。

残月肩衝 ざんげつかたつき


『山上宗二記』 『宗湛日記』 ほか諸書に記載。



【付属物】蓋―二 蓋箱―桐白木、書付松平不昧筆 仕覆―四、縅間道・雲山金襴・亀甲緞子・茶地小格子間道(図版右より) 仕覆箱 桐白木、書付同筆家桑、金粉字形 黒四方羽田盆 内箱 桐溜塗、錠前付


【伝来】東山御物 ─ 織田有楽 ─ 前田利家 ─ 徳川家康 ─ 榊原康政榊原忠政 ─ 京極安知 ─ 泉屋六郎右衛門 ─ 松平不昧


【寸法】 高さ:8.2 口径:4.0 胴径:6.7 底径:3.9 重さ:90




金森得水著 『古今茶話』には、榊原家に「残「月」という名物の茶入があり、それは家に代々伝わっていた多葉粉盆の灰吹を、ある人がみて面白いものとしてとり上げました。


幸い月の残ったように釉溜りがあるので「残月」と命銘して茶入とし、誰いうとなく榊原の「残「月」の茶入の評判が高くなりました。


その頃の茶入京極安知がこれを聞いて再々所望し、ついに一万両で手に入れました。


灰吹を直して一万両の値にする利発者もあるし、数多の金を出してこれを求める人もありと、世人の話にのぼったとあります。


甑が高く捻り返しが強いです。


ほどよい大きさで、肩は丸みをもって衝き、胴はわずかに張り、裾以下少しすぼみ、姿もまことに優美としきじゃかつです。


釉色は鮮やかな柿色で、肩にみられる青白い残月状の白い釉溜りがあり、反対面にも蛇蝎様の窯変がみられます。


釉がけは破風形で、白みがかりの土が綺麗に露われていますが、これはかつて松平不昧が洗ったものではないかと思われます。


茶の湯の道具のなかで、抹茶をいれるやきものを茶入と呼んでいます。小さな壺状の形状をしていますが、茶席における存在感は、茶碗や水指などにもまさるものがあります。中国で焼かれたものは「唐物」、日本で焼かれたものは「和物」と呼び分けられ、古くから唐物を珍重してきました。茶入を鑑賞する際には、産地、形が基本となり、加えて釉流れの景色も見どころとなっています。また、付属する仕覆や牙蓋、盆や銘も楽しみの魅力の一つです。今回はそうした茶入の魅力についてご紹介します。


唐物肩衝茶入 銘 残月

1口

文化庁



唐物文琳茶入 酸漿文琳 

1口

株式会社ヤングアート



餓鬼腹茶入

1口

京都・本圀寺



Among the utensils used in the tea ceremony, the tea vessel used to hold the powdered matcha tea is called a tea caddy(cha-i-re). Although it is shaped like a small urn (jug), it has a higher status in the tea ceremony than the tea bowl or water pot. There are two types of tea caddies: those fired in China are called "Karamono" (唐物 Karamono) and those fired in Japan are called "Wamono" (和物 Wamono), and they have been prized since ancient times. The origin and shape are the basic features when appreciating a tea cup, and the glaze is also a highlight. The matching stopper, lid, tray, and inscription are also attractive and appealing to the eye. In this issue, we will introduce the appeal of this type of tea caddy.


The three Karamono tea caddies are displayed in a separate cabinet in the centre, surrounded by a circle of Wamono tea caddy, a display that highlights the status of Karamono tea caddies in the eyes of Japanese tea connoisseurs and collectors. The three tea caddies are as follows:


唐物肩衝茶入 銘 殘月

唐物文琳茶入 酸漿文琳

唐物餓鬼腹茶入


The legacy of the Karamono is very prominent, and the legacy of the Karamono tea caddies is one of its most important points. As the aesthetics of tea caddies are very abstract, a great deal of the value of this type of artwork comes from the aesthetics of its past history and legendary figures. The different aesthetics of different tea masters at different times, the different inscriptions, the overlapping of inscriptions, and so on, are all inseparable parts of its artistic value.


二、唐物文琳茶入 酸漿文琳


唐物文琳茶入、大名物

ほおずきぶんりん 酸漿文琳



釉および形状が酸漿に似ているとしての銘であります。


総体に黒飴釉の中に柿色を交え、特に肩先においてその通りであります。


また黒飴釉中に金気を帯びた柿色竪箆目がこまかく総体にわたります。


釉色は光沢麗しく、手取りは極めて軽く、白土がねっとりとして気品高尚な茶入であります。


1616年(元和二年)4月5日に酒井雅楽頭忠世が駿府で徳川家康に謁見した時これを拝領し、以来姫路酒井家の第一の家宝でありました。


(『大正名器鑑』)



【付属物】蓋―二 仕覆―三、笹蔓緞子・船越間道・永観堂金襴(図版右より)仕覆箱 桐白木書付 挽家 黒塗 若狭盆 盆箱 桐白木書付 総箱一部蓋錠前付、蓋裏書付酒井雅楽頭侍従源朝臣忠実筆


【伝来】 徳川家康 — 酒井雅楽頭忠世


【寸法】 高さ:8.8 口径:2.9 胴径:76 底径:3.3 重さ:66


「酸漿」の名はその形状と釉色によるものです。


『徳川御実記』より一部記載しますと、「此茶入は口細くして文琳の如く、形は肩衝に似たれば、茶書に或は文琳といひ、或は肩衝といへり。


今草間和楽編の茶器名物図彙を見るに、其中に載せたる相阿彌東山殿筋之記に、永正十三年十月十日の日附を記し、文琳肩衝といふ名の下に茶入圖を掲げたりますが、是れ即ち後世ほうづき文琳と称するものなるべし。


元和二年四月五日、酒井雅楽頭忠世も御病床にて酸漿の茶入を賜」。


すでに東山時代の同朋衆が、こうした茶入の面白さを見出していたことは注目すべきことです。


口造りは小さく甑は高いです。


肩はややひろがり、胴より小すぼみの姿としきまだらは、いかにも酸漿を想わせ、文琳肩衝といわれるのもこの姿にあります。


釉色も黒飴地に柿色釉が縦に斑をなし、腰以下は土もまた細い縦縞を呈しています。


土は赤みを帯びた白土で、きめ細やかであり、底の糸切も鮮明です。


仕覆は三枚添っていますが、緞子・間道・金襴とすべて異種を揃えて整っている。


『相阿彌東山殿之記』 『茶器名物図彙』などに記載。


三、唐物餓鬼腹茶入


這件實物顏色棕黑,整體大漆可見修復,窯口不明,體量較大,是茶入中的佼佼者,這件作品的資料非常少,傳世時間也是最早,可追溯到足利尊氏(14世紀)。


京都・本圀寺,全網沒有彩色圖片。

With its brownish-black colour, visible restoration of the overall lacquer, unknown kiln, and relatively large size, this is one of the best of Karamono tea caddies, a work for which there is very little information and the earliest known provenance, dating from the First Gen of Ashikaga period (14th century).



名物。漢作茶入。茶入の頸が細く立ち、胴は太く膨れて餓鬼の腹を思わせるからこの銘がある。箱の蓋裏書付に「銘、餓鬼腹茶入壱個。


尊氏公御所持の銘器なり。当山へ納む」とある。すなわち足利尊氏の所持であったのをのちに本国寺に寄進したもので、同寺は一五三六年(天文五)の法乱に火厄に遭い、この茶入も火を受けてようやく形だけを留めるにすぎない。(『大正名器鑑』)


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